以前、秋冬の楽しみ方を教えてほしいと書いたことがありました。 

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基本的に夏が好きです。なので、冬が終わって夏に向かっていく季節は本当にワクワクします。

そして、秋冬以外の季節の内包するものがどれも好きなんです。

春のちょっと冷たい風と日差しだけが暖かい感じも、靴の裏で雪が溶けていく喜びとかも、梅雨の「これから夏が来るんだ」っていう幸福の序章感も、真夏のカラッとコントラストの強い日差しも、暑くて薄着でいられるところも、だらだらと滝のように汗を流して歩くのも、夏が通り過ぎていくことが寂しいなと思う8月の終わりの夕暮れとかも、全部全部好きです。

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反面、秋冬の内包するものがどれもこう…つらくて。日が短くなるのが寂しいし、風が冷たいのも、これから冬が来るというカウントダウン感も、厚着をしないといけないことも、それに伴う肩こりも、着替える時に一瞬心臓が止まるんじゃないかってくらいひやっと寒い思いをするのも。

でも、特にこの街は1年の半分が冬なので(石油ストーブを出している期間を冬と呼ぶならば半年ある)秋冬を少しは楽しめるようになりたいなと思ったのです。

秋冬を楽しむ才能って、もう遺伝子レベルで決まってるんだろうなと感じました。

 

冬の幸福ってマイナスからいかに駆け上がるか、なんだと気付いた。

でも、才能のない自分なりに見つけたことがあって、それは、

秋冬の幸福ってマイナスからいかに駆け上がるかなんだ、ってことです。

 

例えば、秋冬ならではの幸せの一つに温泉があります。

夏に入るのも好きだけど、やっぱり寒い季節に入るのが最高ですよね。

温泉に入るまで身体的にも精神的にもとにかく苦痛な時間を過ごす必要があります。

まず温泉地にたどり着くまでに車の雪を下ろして、死ぬかもしれないような恐ろしい雪道を運転する必要があります。そして到着してからも館内は大抵ちょっと寒くて、着替える時にひぇっと思うほど寒い。露天風呂なんてお風呂の湯船に入るまでの間に裸足で雪を踏みしめることすらある。

そんな心臓が痛めつけられるような苦しさを乗り越えて入った湯船の心地よさ。ああ、幸福。極楽。

マイナスマイナスマイナス…からのプラスで、高速で幸福の階段を駆け上がります。

 

布団乾燥機をかけた布団に入るのもそう。

暖房が行き届いていない廊下を歩いて、洗面台のひんやりした陶器から冷気を感じつつ歯磨きをして、うう寒いと言いながら布団に入る。(我が家の場合は寝袋ですが)

そして訪れる幸福。ああ、ほっかほか。うん、幸福。

これもまたマイナスから幸福の階段を全速力で駆け上がるような種類のものだと思う。

 

冬の楽しみ方じゃなくて、「冬の味わい方」を一つ知った

でも、野村訓市が語ると冬も素敵なものに思える不思議。

これはtravelling without movingの2/4の放送でのお話です。

よく覚えているのは、ストックホルムから反対側にあるスウェーデン第二の都市・ヨーテボリまで夜に電車で移動したことです。4時間くらいかかって、何もしてないんですけど、とてもよくこのときのこと思い出します。

新幹線のような特急で、薄暗い照明と誰も騒ぐ人のいない車内。あんまり混んでいないのに、だんだん人が減っていくのもすごく寂しかったです。外を眺めると、もう本当に漆黒の夜と、目を凝らすと横に流れていく雪。そして、たぶん寒さ対策もあると思いますが、二重窓だったのかな。いつもより反射する窓に映る自分の顔。ずっとトンネルの中を走っているような不思議な気持ちでした。小さい時に見た、『銀河鉄道の夜』という、猫が主人公になってるアニメがあるんですけど、その映画の猫になったような気分でした。

 travelling without moving(2018.2.4)

 

ああ、もうこのエピソードを聴いただけで、メランコリックな冬の寂しさがとても素敵なものに思えた。

寂しさごと味わう、みたいなことも冬の楽しみ方、いや楽しみ方というよりは味わい方って言った方がしっくりくるな。冬の味わい方の一つなんだと知りました。

あと20日ほどで3月が来るけれど、あと少し冬を味わってみたいと思います。おわり。

▶︎シンプルで豊かな暮らし

 

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