一軒家をご新築するかどうか迷っている方からメッセージをいただきましたので、お悩み相談としてご回答します。

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以前一軒家に住まれていたことを知ったのですが
•一軒家から引っ越された一番の理由はなんでしょうか。
•何故一軒家を建てようと思いましたか?
一軒家を建てるかどうか迷っていまして…。
(メッセージより抜粋)
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私は今から6年前に一軒家の新築を検討していて、一年近くかけていろんなハウスメーカーや工務店の内覧会に行ったり見積もりを作ってもらったりしていました。

あのままいっていれば新築して定住していたんだろうなと思います。
その年の秋に夫と京都で滞在したのをきっかけに、好きな時に好きな土地で好きな働き方をしながら暮らすということがしたいなという話になったこと、
身軽な暮らしに憧れ始めたことをきっかけに、一軒家を建てるのをやめました。

この経験になぞらえながら、質問者さんのご相談にお答えしていきたいと思います。

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今から6年前、新築しようとして内覧会に足を運んでした。

>>何故一軒家を建てようと思いましたか?

まずは、私の住宅事情からお話しますね。
当時家賃補助が出ていて、夫と二人で暮らすのに一軒家の「借家」を借りました。これが2011年の話です。

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土地柄と築年数が古かったので駐車場付きで6万円代でした。めちゃくちゃ安いですよね。
京都の大学生が初めての一人暮らしで住むワンルームくらいの価格帯ですよね。いや、今はもう少ししますかね?

その後、家賃補助が終わるのと、借家の更新時期が2015年春に控えていたので、
1.家を新築するか
2.夫の実家を二世帯住宅にリフォームするか
3.今後も賃貸で暮らすか(引っ越しするか)
4.今後もこの借家で暮らすか(引っ越さずに住み続ける)
という4つの選択肢が浮上しました。

かなり1と2、特に1の「新築する」という選択肢が有力で、2014年の年明け頃から工務店やハウスメーカーの内覧会などに足を運び始めていました。
ベス、ヘーベルハウス、Pana Home、地元の工務店を3つほどを見てまわり、工務店2つに絞ってここが手がけた内覧会があればこまめに覗きに行っていました。
新築とリフォームの見積もりもしてもらいました。それが2014年秋〜冬にかけてのこと。

このまま進んでいれば家を建てるかリフォームするかして、今でもあの街に住み続けていたのではないかと思います。

新築というか「定住」をやめた理由は、ミニマリストという言葉を知ったことでした。

その後、これまで動画でもブログでも何度か書いてきましたが、
2014年秋に、友人の結婚式に参列するために夫と京都に行って、そこで過ごした3日間があまりに楽しくて、帰り道の車の中で
「京都に住むのもいいよな」
「っていうか、好きな土地に住むのっていいよな」
「家を持たない暮らし(新築やリフォームして固定資産を持たない暮らし)もいいよな」
という話になりました。


また時を同じくして、仕事で運の悪いことが続き、「運、悪い、なぜ」と検索し、掃除が行き届いていないと運気が下がるという記事にたどり着きました。トイレ掃除をすると運気が上がるという一文も目にとまり、試しに毎朝トイレ掃除してみました。
するとトラブルになりかけていた案件が解決し、これは効果があるかもしれないと思い掃除を続け、徐々に掃除する範囲を広げていきました。
そこで、ものが多いと掃除に取り掛かる前に片付けをしなければならないと気づき、掃除を行き届かせるにはものを減らすところからだと気づいて断捨離を開始しました。

▼断捨離のきっかけについてはこちらで詳しくお話しています。
Takeruさんとのコラボ動画『78 2LDKの汚部屋から32/1DKの小さな暮らしへ。キッカケ/メリット/生活変化』



そして「持たない暮らし」という言葉で検索してたどり着いたのが、ミニマリストのブログでした。

当時は佐々木さんも『ぼくモノ(ぼくたちに、もうモノは必要ない。増補版 (ちくま文庫 さー48-1) [ 佐々木 典士 ])』を出版される前で、世間的にミニマリストという言葉はマイナーもマイナーだったので、検索して初めてミニマリストという単語を知りました。

こんな風に物理的に身軽になれたら、精神的にも身軽になれるのではないかと思いました。
ものをたくさん持っていると、ものを持ち続けるために広い家が必要になり、もののために高い家賃を払い続けることになります。家が広いと光熱費もかさみます。
もしこれで、ものを減らしたら、家も狭くて住むし家賃も光熱費も抑えられます。毎月の生活に必要なお金をスリム化できれば、夫婦二人とも正社員でフルで働く必要もなくなるかもしれません。自由な働き方を選ぶことができれば定住する必要もなくなるし、物量が少なければ引っ越したい土地ができた時に気軽に引っ越しできます。

そこで、新築やリフォームをして定住するのはやめて、ものをたくさん持つために高い家賃を払い続けるのもやめて、今よりも狭い賃貸に引っ越すことに決めました。
これが2015年初頭の話です。

>>一軒家から引っ越された一番の理由はなんでしょうか。

一言でまとめると「家を持たない暮らしをして、好きな時に好きな土地で好きな働き方をしながら暮らしたいと思ったから」です。
それが、新築もリフォームもやめて、一軒家から賃貸に引っ越しした理由です。

78㎡の一軒家→44㎡の賃貸→32㎡の賃貸という風に移り住んできました。
今は32㎡のこんな家に住んでいます。

持ち家か賃貸か。各家庭ごとに最適解は異なる。

>>一軒家を建てるかどうか迷っていまして…。

私たち夫婦も、田舎に住んでいたというのもあって、結婚してて数年したら家を建てるかリフォームするかして固定資産を持つことが当たり前だと思い込んでいました。
一人1台車を持って、家を持って……と、当たり前のレールに乗るのが一番だと思っていたのです。

けれど、京都で過ごした三日間で、自分たちが好きな土地とは、自分たちの趣味趣向を勘案して暮らし方に合った土地とはどこなのか、ということを考えるきっかけをもらいました。これがターニングポイントでした。

持ち家派か賃貸派かどちらがいいのかというのはこれまでもいろんなところで議論されてきたテーマだと思います。



各家庭ごとに最適解は異なると思います。
例えば夫婦ともに公務員でその仕事も土地も愛していて、その土地から離れることは今後も恐らくないだろうと予想され、マイホームを持ちたいと考えているのであれば、家を買うのがいいかもしれません。
これも、「その仕事を愛していて」「その土地を愛していて」「マイホームを持ちたいと考えている」という部分は自己分析の末でないと出せない答えなので、やっぱり一旦は自己分析してみてください。


ともかく、自分たちにとって何が最適解なのかを一旦考えてみることが大事だと思います。
「周りがみんな建ててるor買ってるから」という理由で買うのはおすすめしません。

自分たちの趣味、好きなこと、苦手なこと、本当はこんなことがしたい、本当はこんな仕事がしてみたい、など自己分析と自家庭分析(家族構成員各個人の自己分析のベン図を作って見てみようということです。勝手に命名しました。)をしてみて、どんな住宅の形態がいいかを考えてみてから、新築にするか賃貸にするかということを決めるのがいいと思います。

我が家の場合は、雪国に住みながらも夫婦ふたりともウィンタースポーツに全く興味がなかった。
私は車がないと自由に移動できない土地でありながら、長時間運転するととてつもない睡魔に襲われるという問題があり、公共交通機関が発達していないために好きな時に好きな場所に行くことができず、休日に近所のスタバかコメダに行く以外の選択肢がなく悶々としていた。
釣りや山登りや川遊びや運転が好きではなかった。
美術展や映画やイベントに行くのが好きでありながら、それらの文化的なものにアクセスしようと思うと少なくとも往復5時間往復5千円の交通費が必要だった。(地方都市くらいに住んでいれば仕事帰りに数百円の交通費で映画館にアクセスできる。休日に思い立ってふらっと美術館やイベントに行ける。)
寒さに弱く、冬が苦手で気分が落ち込み、一年の半分が冬という街で暮らすのがつらかった。
その街に住む適性がなかったんですね。

これは個人の特性によります。完全に向き不向きがあります。
都会が向いている人、地方都市が向いている人、田舎が向いている人、
また暖かい土地が向いている人、寒い土地が向いている人、近くに山があった方がいい人、海が合った方がいい人、さまざまです。
家族それぞれが自分の適正を一度考えてみる。それから家族同士ですり合わせをしてみる。そして、住む土地を選ぶのがいいのではないかと思っています。

繰り返しになりますが、「周りがみんな建ててるor買ってるから」という理由で買うのではなく、自己分析からの自家庭分析をすることが大事だと思います。
そうやって出した結論であれば後悔が少なくて済むのではないかと思います。

これは私個人の考えなので、もちろん話半分で聞き流してもらって構いません。
質問をいただいたことで、こうやって自分が家と住む土地について何を大事に思っているのか考え直すきっかけがもらえてよかったです。

何か少しでもお役に立てる部分があればいいなと思います。

これまでにいただいたご質問も、折を見てお返事できたらと思います。(めちゃくちゃ遅いですが…)
ご質問があればこちらまで。




おわり。


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