最近、長距離移動の足として「昼間の高速バス」を好んで使っている。
高速バスで7-8時間級の移動というと、夜行バスしか選択肢がないのかなと思っていた。
同じ7時間でも日中なら窓の外を眺められるし、眠らなければと気負う必要もない。そんな便ってないのだろうか?と思って調べてみればありました。そういうの昼行便って呼ぶんだね。
読みかけの本、贅沢な具が入ったおにぎり、iPadを持ち込んで旅に出た
私はこのバス旅の車内にいくつかのものを持ち込んだ。
買ったはいいが一年近く読んでいなかった本。ちょっと贅沢な具が入ったおにぎり、普段買わないお菓子、iPad。
PCの中に仕事のあれこれが詰まっているけれど、これは持ち込まない。なぜならPCに文字を打ち込んだりすると盛大に酔うので。
そうして、仕事の一切できない、自由な時間だけが与えられた。
ちなみにおにぎりの具はうるうるのいくらがたっぷり添えられたシャケおにぎり。おにぎりで298円って贅沢!でも駅弁よりずっとリーズナブル!!わくわくして包みを開けた。ビル街を尻目におにぎりにかぶりつく。
外の景色を眺めたり、考えるともなく考えたいようなことを頭の中で転がしてみたり。
読みたくなったら本を読む。
スマホの小さな画面を見ても特に酔わないタイプだけれど、バスの車中ではなんとなく紙の本を目にしていたい気分になる。
結果として、一年以上かけても読みかけだった本を最後まで読み通すことができた。
SAでそれぞれのトイレの作りの違いを楽しんだり(洗い桶に乾燥がついてて便利!)
コロロとか、普段買わないちょっと贅沢なおやつ買ったり(普段おやつほぼ買わないので…)
眠ったり目を覚ましたり。夜行便と違って次の日のことを気にかけて今できるだけ質の高い睡眠をとらなければ!と焦ることもない。そのことが本当に自由だと思った。
とても贅沢な時間だった。
考えてもみてほしい。自由な時間があればあの本にもこの本にも手をつけるのになぁ、時間さえあればあの映画もこの映画も観るのになぁと思うこと、よくあるのでは。
その自由時間が与えられるのだ。
夜行便と違って睡眠をとらなければという脅迫感がない。うつらうつらと昼寝してもいいし、しなくてもいい。寝たり起きたりを繰り返しながら、何をしてもいい。
持ち込んだ本を読んだり、窓の外を眺めたり、考え事したり、音楽を聞いたり、見逃していたアニメをAmazonプライムで見たりしてもいい。
それでいてPCに文字を打ち込むと酔うので仕事はできない。そうなると自動的に仕事以外のことしかできない。全くの自由時間が手に入るのだ。
こんなに自由な時間をまとめて手に入れたのはいつぶりだろう。とても幸福な場所に放り込まれたように感じた。
ハチクロの8巻で、真山の思い人のりかさんが「すごい…こんな何もしない時間なんてどれくらいぶりかしら。そうか、みんな この時間をお金を出して買うのね」とつぶやくシーンあるのだけど、まさにそういう感じ。
小樽出身のりかさんが仕事先でぼーっと寝台列車カシオペアが発車するのを眺めていて、それを見た真山がりかさんごとカシオペアに乗り込んでしまう。
仕事の途中だったけれど降りることなく北の大地に向かうことを決めたりかさんが、上のセリフを口にする。
ハチクロを読んでいた時は高校生だったけれど、そうか忙しい大人はお金を出して時間を買うのか、自分にもそんな日が来るのだろうかと未来に思いを馳せたりした。
いや、このバス旅の場合はむしろ、新幹線よりずっと安いお金でさらに時間まで手に入れてるんだけどね。
そういう、すごく贅沢な時間だった。
いいですよ、昼行便のバス旅。
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