本を読んで、あとから内容を忘れてしまうことがあります。すっぱりさっぱりと。
一言でも書き付けておけば、記憶の手がかりになるのでは?と思い、
今年はほんの一言でも読書記録をつけたいと考えています。
どう書いていいか迷っているうちに自分の中で熱が冷めて書き逃す…ということになりがちだったので、
読書記録のフォーマットを作ってみたら書きやすくなるのでは?と思いました。
「タイトルと巻数と著者名」…あれ、あのエピソードが載ってたのって何巻だっけ?となるのを防げればいいな。
「あらすじ」…あれ、どういう内容の本だっけ?となるのを防ぐ。
「1番好きなシーン」…読み終えた後に繰り返し頭の中で反芻するような、1番好きなシーンだけ覚えていればもうそれでいいんじゃないか?
「感想」…読んで自分が何を思ったのか書き残しておきたい。
「印象に残ったシーン」について考えたこと…なぜ印象に残ったのか?何を考えたのか?
やってみてわかったけれど、手で書くという行為だけでも脳に焼きつけられる。
ということは、「記憶の引き出しのいつでも取り出せるところに置いておきたいな」と思う部分を読書記録に書けばいいのだと思いました。
『A子さんの恋人』1巻を読みました。
マンガって次の内容をどんどん貪欲に追いかけたくなってしまって、
一度読んだものを二度読みすることってあまりないのですが(わたしの場合は)
じっくり二度読みしてしまいました。
↑もぐもぐさんのこの記事を読んで「おもしろそう」と思って手に取りました。
もぐもぐさんの文章がね、大好き。ものや街への愛情があふれていて、読んでみたいし行ってみたくなる。
あらすじ
A子さん(29)は優柔不断。
誰にでも愛される男A太郎と7年付き合っていたが、A太郎と縁を切りきれないままNYへ。
3年の間にA君と付き合うが、またもや縁を切りきれないままNYに残して帰国。
友達のK子やU子とうだうだしながら、A君のことが好きなI子にストーキングされつつも日々は過ぎていく。
ああ、ずっとこのまま「考え中」ってことにしてしまいたい…(※ダメです)
登場人物がみんな絶妙に性格が悪くて、というかひねくれていてすごくいい。
リアリティがあるよなー、と思う。
あれくらいのすすけた感じが人間としてリアルというか。
A太郎が興味深い
A太郎は誰にでも愛される。
そのことをA子は不思議がる。
「この人なんかおかしいんじゃないか?」と。
『A子さんの恋人1』(近藤聡乃著)より
A太郎に恋するI子の目には、A太郎もA子もほんわかやさしい顔に映っているけれど↓
『A子さんの恋人1』(近藤聡乃著)より
A太郎に近しい人からはこんな顔に見えている。↓
『A子さんの恋人1』(近藤聡乃著)より
この人、実はベースは陰なのだけど、誰とでも空気を読んで話を合わせられるバランス感覚があるんだ、多分。
A太郎が誰にでも愛されるのば、バランス感覚がいいからじゃないかな?と思う。
身の回りにこういう感じの人、いるもの。
なんか絶妙に誰とでも話を合わせられて、陰な人とも陽な人ともうまく付き合ってる(ように見える)人。
明るい後輩ともマニアックな先輩とも体育会系の先輩とも陰鬱な雰囲気をまとった同級生ともうまーくそれぞれと会話できる人っているよなぁ。
日向で陽の当たる生活をする人(陽な人と呼ぶことにする)に愛される素質をもってるA太郎。
日陰で暮らすことを心地よく思う(ここでは陰な人と呼ぶことにする)のがA子や、その友人のK子やU子なのだけど、
A太郎はA子の心も掴むようなシニカルさを持ち合わせているから、A子にも友人のK子・U子も一目置いてしまう。
そしてなにより、人の懐に入り込むのがうまいひとは誰でも仲間にしてしまう。
ちょっと苦手かもと思っていたのに気付いたら懐に入られていて、ああ今更嫌えないじゃないか!という。
「何をしても嫌う人」の懐にも入り込んで懐柔してしまえるのがA太郎なのだろう。
僕のことそんなに好きじゃないからだよ
A太郎のこの発言、ハッと息が止まってしまった。
A太郎の心の闇を垣間見てしまったようで。
他の誰からも愛されるのに、あまり好きにならないからこそA子のことが気になるし興味を惹かれるし追いかけたくなるのだろう。
では、A子がA太郎にのめり込むくらい熱烈に「好き好き」ってなったらどうなるの?
そうなったらひらりと身をかわして遠のいてしまいそうだ。
でも、A子にそこまで愛されていないことを寂しく思う気持ちもちらりと覗いていて。
近藤聡乃さんの描くA太郎の冷めていて、寂しそうでもある表情がまたよくて、じぃっといつまでも見てしまう。
大好きだなぁ、このシーン。わたしはA太郎が興味深いし、好きだなぁ。
A子さんはA太郎とA君、どちらを選ぶのか?
まだ一巻しか読んでないから明かされてない部分が多いのだろうけど、
A太郎には「あけおめことよろ」と言われても、A子さんは決して「ことしもよろしく」とは言わない。
NYにいる間も日本に帰国してからも、A太郎とメールやチャットやスカイプで連絡をとったりはしない。
一方、NYにいるA君とは帰国後も(友達の不可抗力はあるものの)チャットやスカイプで連絡を取っているし、
「ことしもよろしく」と言っている。
A太郎はA子さんと居住地の物理的距離が近いだけで、圧倒的にA君に差をつけられているよなー。
アプローチすればするほど引かれてしまっているし。
『A子さんの恋人1』(近藤聡乃著)より
わたしはA太郎を応援する…。
2巻、3巻をまだ読んでないから勝手な予想だけど、
A子はA君にプロポーズされて決断することができず先延ばしにするために日本に帰ってきたのではないか?
全然違うかもしれないけど。
さて、2巻3巻を買おう。
紙の本しかないから困るなー、でも買う。
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