フィッシュマンズ11年ぶりのツアー"LONG SEASON 2016”名古屋公演に行ってきました。
終わってからこの時間までずーっと「よかった・・・」「今日の大阪公演も行けばよかった・・・休みを取っていれば・・・」「本当によかった・・・」
と言い続けています。
にも関わらず、ブログ等で感想が見つけられないので、長々書いておきます。
- フィッシュマンズ ツアー"LONG SEASON 2016”名古屋公演の感想
- ライブの記憶を綴ったブログに助けられたから、わたしも書く
- 涙を堪えたGo Go Round This World!
- フィッシュマンズの生の音を聴くことは、夢を見ている状態に似ている
- 生きてる間中追いかけたい人達に出会えたらな
- セットリスト…というか演奏した曲の羅列
ライブの記憶を綴ったブログに助けられたから、わたしも書く
わたしがフィッシュマンズに出会ったのは2010年なので、前回のツアーの時にはその存在を知らなかったし、
2011年の野音の頃は関東に遠征に行くほどのバイタリティがありませんでした。
ずっとずっと見てみたかった。
だから暇を見つけては「フィッシュマンズ ライブ 感想」と検索しては、
ボーカルのサトちゃんが生きていた頃・・・20年くらい前のライブの記憶を綴ったブログを見つけては熟読し、
想像して脳内で楽しみ、
そしてそれを生で見られないことを寂しく思っていました。
あの時想像の世界で楽しませてくれるきっかけになったブログたち。
それを愛してやまないので、
自分もライブを目撃することがあれば詳細に綴っておこうと思っていました。
それは10年後に誰かの心に寄り添えるかもしれないから。
涙を堪えたGo Go Round This World!
まず、一曲目の『Go Go Round This World!』が始まった時に涙が目元まで押し上がってきて、こらえるのに必死だった。
なぜそうなるのかはわからない。
ずっとずっと聞きたかったから?
ずっと何年も待っていたから?
サトちゃんも(幽霊的な存在になって)来てるんじゃないかいう考えが頭をよぎったから?
一度は別れを告げて別れバラバラになった男達がまたこうして集まっているから?
もうそのどれなのかもよくわからないけど、ただただ感極まって。
記憶があいまいなのだけど、この後土曜日の夜。
しょっぱなから飛ばすなぁ!と思った記憶が。
この後は順番を覚えていません。
覚えているものから順に書きます。
トーマの心臓のような荘厳さ、頼りない天使
パイプオルガンみたいな荘厳な音が辺りをつつんで、
スモークでもやがかった中に青色の光が差して、
教会のような、賛美歌のような、
そんな音楽に包まれていると、
なぜだか萩尾望都のトーマの心臓のラスト、
ユーリがエーリクの頬にキスをする場面が目に浮かんだ。
厳かで、本当に天使が降りてくるんじゃないかと思った。
天使が降りてくる音楽っていうものがあるんじゃないかと思った。
それから、私はこの曲を聴くと寂しさが浮かんでくるなと思っていたのだけど、
原田郁子が歌ったからなのかな、さみしいけれどしあわせだな時間のことを歌っていたのかなと感じた。
どこか寂しいけど気づけば優しい気持ちにさせてくれる、ひこうき
デビュー曲ですね。25年前の曲。
ひこうきってどこかさみしいけど、どこか優しいし懐かしい感じがする。
寂しくなった時に聴くと、さみしさに寄り添ってくれるし気づけば優しい気持ちにもさせてくれる。
ひこうきぼんやり飛んでって二人して見上げていたのね
その惚けた感じが大好きだし、自分の中にもゆったりした時間が流れる。
すばらしくてNICE CHOICE
勝井さんのバイオリンかっこよかった。
真夏のドロドロに溶けてしまいそうな苦しさを思い出した。
それは、就活で見ず知らずの土地の駅に降り立った時のこと。
こんな無人駅の街で将来働くかもしれないの?という少しの恐怖心。
それも吹っ飛ばすくらしのドロッドロになりそうな暑さ。
その光景がバッとフラッシュバックした。
ずっと終わらないで欲しい音楽、バックビートにのっかって
揺れ続けていたいと思った。
終わらないで欲しいと思った。
long seasonもいいけど、バックビートに乗っかってが永遠に終わらない音楽、も聞いてみたいと思った。
何も起こらない夏休み、ただ退屈な夏の記憶、Future
休みの日、夏に畳の上で横になってどこにも行かなかった年があった。
くる休みくる休み、ただ何もする気力がなくて横になり続けた。
その時にずーっと聴いていたのが、ファーストアルバムだった。
何もしないこと。
退屈であること。
それを音楽にしているところが好きだった。
夏の映像を思い出しながら、揺れて揺れて。
後半から音数が増えてずんずんかっこよくなって。
神々しい、IN THE FLIGHT
原田郁子ボーカル。
神々しい。
四つ階段を駆け上がってドアを開けてのぞき込めば、その眠たそうな空気が好きだ
という歌詞を聴くたびに、いつも病院にお見舞いに行くイメージが頭に去来する。
ドアの外で思ったんだ
あと10年たったらなんでもできそうな気がするって
でもやっぱりそんなのウソさ
やっぱり何も出来ないよ
僕はいつまでも何も出来ないだろう
IN THE FLIGHT( 作詞:佐藤伸治)より引用
10年経ってもなにもできないさ、という人は何もできないままだし、
なにができてるさ、という人は何かできるんだと思う。
僕はいつまでも何も出来ないだろう、なんて思いをグツグツ煮込んで干上がらせるとそんな気分の濃度が高まって本当に何もできないようにふっと消えてしまうのかもしれない、希望もろとも。なんて思った。
「多分できるよ」と言いたい。
誰かにも、自分にも。
何かはできるよ、と。
エブリデイ・エブリナイト
原田郁子ボーカルの多幸感。
ナイトクルージング
ミラーボールの光が水中の泡みたいに会場の中で揺れて、ゆらゆら揺れて。
ウェザーリポート
「デート日和なんだ!」って言うところで、
桜がバッと舞うような多幸感が場に発していた。
フィッシュマンズの生の音を聴くことは、夢を見ている状態に似ている
ところで、わたしはヨガをしていると、
「なぜか過去の記憶の映像がパッと現れる」のです。
この日は後半はずっと、フィッシュマンズの音楽を聴きながら、それに近い状態になっていました。
瞑想状態に入るような感覚といえばいいのか、
ヨガのポーズに集中していたら現在を生きる自分の悩みとか雑念が消え去って、
今日まで思い出すこともなかった何年も十数年も前の記憶が突如映像になって去来する。
ヨガをしている時には、「過去の映像」のみで、未来の・・・というか見たことのない想像上のイメージは湧いてこないのだけど、
なぜだかフィッシュマンズを聞いていると、自分の記憶ではない想像上のイメージが湧いてきました。
朝4時に起きて眠かったから?
朝からアクティブに遊びすぎて体が限界をむかえそうなくらい疲れてたから?
脳みそが今までに経験したことのない状態になっている感覚がありました。
ああ、それって夢に似てるのかな?
夢って過去の体験も未来のイメージも想像も全てごちゃ混ぜになった映像を見せてくれるけど、
それに近い感じ。
ひとことであらわすなら、フィッシュマンズの生の音を聞く体験は「夢を見る状態」に似ている。
ロングシーズンの感想はその一言。
「夢を見ている状態に似ていた」
音楽はなんのために鳴りひびきゃいいの?新しい人
欣ちゃんはもう答えを見つけているような、確固たる信念を持っているように見えた。
わたしはただ、
目の前にいる人たちの健康寿命がすごく長いといいなと思った。
いつまでも健康でいて、フィッシュマンズの生音に浸らせてほしいと思った。
誰もいなくならないで、長く続けられたらいいなと思った。
アンコール
空気になって漂って、たまに包み込んでくれる存在。いかれたbaby
イントロが流れて、「ああ、男達の別れ」だ!と思うが早いか涙腺が緩む。
(※男達の別れ・・・ベース柏原譲脱退前の最後のツアー)
男達の別れのいかれたbabyの録音された音声が流れたんです。
サトちゃんの声が会場を左から上に向かってすーっと広がって、
手を広げて飛び出して会場全体を包み込むように声が聞こえて、
わっと泣き出しそうになった。
多分サトちゃんはいまここにいる気がした。
封神演義のラストで、妲己が地球(ほし)自体になって、太公望(というか伏儀)を包んでいる様子を思い出した。
こうして、なんというか妲己のような概念みたいな存在になって、空気に溶け込んでそこに漂い続けているんじゃないか。
空気の中に一体になって溶け込んでいて、こういうライブの時にはすっと会場を包みに来ているんじゃないか。
そんな風に思った。
大合唱は好きじゃなかったのに、最高だったチャンス
欣ちゃんが「サトちゃんも大好きでよく歌ってた」と言った『チャンス』
2011年に大阪のシャングリラで開催された「フィッシュマンズナイト」で、
ラストにチャンスが流れて会場にいたみんなで肩を組んで輪になって踊りまくって終わった思い出があるのだけど、それを思い出した。
フィッシュマンズは基本的には新曲も出さないしライブをやるのも数年ごし。
普段ファンは散り散りになってそれぞれの暮らしをしていて、集うのはほんのひと時。
数年に一度、それもたった数時間。
集ったその一瞬のこと、そしてまた散っていくことを思った。
みんなで合唱って基本的に好きじゃないのだけど、
一瞬のお祭り騒ぎのような大合唱は、うん、いいなと思った。最高だった。
生きてる間中追いかけたい人達に出会えたらな
森、道、市場やりんご音楽祭、その他その時に気になる人のライブにも足を運ぶけれど、
「気持ちいい!」「心地いい!」「わー楽しー!」という感情が湧きあがってくるくらいで、
今回のライブほど感情を揺さぶられたことってなかった。
この先、これ以上の音楽体験ってあるのかな?とすら思ってしまった。
それくらい最高だった。
音楽にグッとくるか否かって、個人的体験、個人的感情によるところが大きい。
自分の日常のそばにいつもあって聴き続けて愛している音楽を、生で最高の演奏で聴くからこそこういう感想になったのだと思う。
昨日のライブが人生で最高の音楽体験だとするとこの後の人生つまらないよね。
だからこそ貪欲にいろんなライブに足を運ぼうと思いました。
フィッシュマンズだけでなくて、
今を生きてライブもガンガンやる人たちに出会えたらいいなと思った。
そんな人たちに出会えたら、生きてる間中追いかけるよ。
セットリスト…というか演奏した曲の羅列
GoGo round this world
土曜日の夜
ひこうき
MELODY
エブリデイ・エブリナイト
バックビートに乗っかって
IN THE FLIGHT
頼りない天使
Future
すばらしくてNICE CHOICE
weather report
ナイトクルージング
LONG SEASON
新しい人
アンコール
いかれたbaby
チャンス
誰かセットリスト覚えている方がいたらご連絡くださると嬉しいです。
追記:セットリスト判明。わかりやすくまとめてくださって感謝。
2016年7月20日
— mi͛tsuru (@mitsuru29) 2016年7月20日
フィッシュマンズ @ Zepp Namba セトリ
LONG SEASONはASA-CHANGをゲストに迎えた40分超ver. pic.twitter.com/0GgBbSTt4C
関連記事
www.minimalistbiyori.com
www.minimalistbiyori.com
www.minimalistbiyori.com
www.minimalistbiyori.com
新刊、『小さな暮らしは生きやすい』が2021年12月9日に発売になりました! Amazonでのご購入はこちらから。書籍もKindle版もあります。
↓ ↓ ↓
楽天ブックスでのご購入はこちらから。書籍も電子書籍楽天koboもあります。
↓ ↓ ↓
LINEスタンプ発売中