台風19号が日本列島に上陸する前から、スマホがけたたましく鳴った。あのビクッとする独特の警報音。隣のエリアに避難指示が出ているという。
今までにない風の強さだと聞いていたので、もし窓が割れたらリュックひとつ背負ってお風呂場に逃げようとシミュレーションしていた。 結果的には風よりも雨に脅かされた。

もしかしたら浸水するかもしれないということで、何なら引き続き使えるのかをまとめたツイートなどを見ていた。 合板の本棚などは見かけ上乾いたように見えても後からカビが生えてくるという。 畳は変えないといけないし、布団も捨てなければならないらしい。 アルバムの写真などは乾かしたらなんとかなることもあるようだ。

あと少し台風の速度が遅ければ自宅もどうかなっていたかもしれないことを思うと、
「大事なものはリュック1つに収めたい」「100年持ち続けらえるつもりでものを買うのは違うかも」ということを思った。

避難先に持っていけるのはリュックひとつ。大事なものはここに収まるくらいにしたいと思った。

しみじみ思ったけれど、避難先に持っていけるのはリュックひとつ分くらいだ。
キャリーケースを持って避難はできない。地面に障害物があったり、浸水していたらキャリーは動かせないからだ。体の前と後ろに背負えたとしても、リュック二つ分かな。

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PC、iPad、スマホは持って行くつもりだった。仕事道具なので。これさえあればどこにいても仕事ができる。それから最低限の着替え、飲料、食料。

そう考えてみると、持ち出せないものは「物質」としては極力持ちたくないなと思った。
失いたくないのだ。もう2度と見られないのが一番悲しい。思い出の中にしかなくなってしまうのが悲しい。
例えば本は極力電子書籍で持つようにしたい。
写真もネガはほとんどデータ化したが、まだいくつかの写真は物質として残っているものがある。ああいうものを失うのが悲しい。だからこそ、落ち着いた時にスキャンしておきたいと思った。

「100年持ち続けられるつもりでものを買う」のは違うような気がした

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持ち物も、高価なものはあまり持ちたくないなと思った。
例えばダイヤの埋め込まれたネックレスを持っているけれど、あれが流されたとしたらもう一度買い直せないなと思う。
そういう、何かあった時に買い戻せないものがいくつもあるのは、言葉にできないけれど…やっぱり悲しいなと思う。

100年生きるつもりで学び、明日死ぬつもりで生きよみたいな言葉があったと思うけど、ものを買うときにはどういう心持ちで買うのがいいのだろう、というようなことを思った。
今回のことで、なんだか100年生きるつもりでものを持つのは違うような気がしたのだ。
かつて私は大変高価なものをつくる会社に在籍していたので、100年というスパンでものを持つという営業トークをすることも多かった。
けれど、この災害の多い時代にそういうものの持ち方って、運が良ければできるかもしれないけれど…テレビで浸水した家々の様子を見たり、あと少し台風の速度が遅ければ自宅もどうかなっていたかもしれないことを思うと、そういうものの持ち方は違うのではないか…と思ったのだ。

かといって安かろう悪かろうで使い捨てを前提に好きでないものを買うのも違うように思う。
ほどほどの値段のもので愛着の持てるものを持つ、というのがいいような気がしている。
この辺りのことはじっくり考えて自分なりの答えを出したいと思っている。

100年生きるつもりで学び、5年は持ち続けらるという心算でものを持ちたい、というようなことを思った。

今も避難されている方、復旧作業等をされている方もいらっしゃると思います。
引き続き、どうかご安全にお過ごしください。
1日も早くいつも通りの日常に戻れますように。

おわり。




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