学生時代にお金を貯めて買ったハイブランドのカバンと財布の使い勝手がよくなく、今はほとんど使っていないものの、
思い入れがあるので手放せないというお悩みメッセージをいただきました。

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いつも投稿楽しみに拝見しております。おふみさんにご相談したい事があります。

わたしは28歳の独身です。
ハイブランドのカバンや財布についての相談です。
学生の時にお金を貯めて買ったヴィトンのカバンやデザインがとてもお気に入りで購入時は一生使いたいと思って買ったものの、今の気分に合わず使用していないヴィトンの財布があります。
どちらも思い出深いものなのですが使用する機会がこの先ないのでは?思うもので、売ってしまうべきか取っておくべきかとても迷っております。

友達に相談してみたところ、購入時のエピソードなどもしていたので、売るべきではないとの解答で、特にカバンはまた流行が回ってくるだろうし、残しておいては?との事でした。

使用頻度は
カバンは使用しないともったいと思い1年ほど通勤で使っていたのですが、使い勝手が悪くここ半年くらいは使用していません。通勤で使わないと年1で使うかどうかの使用頻度です。
財布は別のものを去年の11月購入してからは1度も使用していません。

使っていないなら
売ってしまえばいいのにとは思うのですが、高かった事もあり
わたしなりに愛着のある物なので
どういう考え方をすれば納得出来るのか悩んでしまっています。

もしおふみさんの目に留まってご相談に乗って頂けると嬉しいです。


メッセージありがとうございます。

高価なものの上、思い入れもあると相当手放すのが困難だと思います。

学生時代にお金を貯めたというところが大きいのではないでしょうか。
社会人にとっての一万円と、学生にとっての一万円って重みが違いますよね。

しかし、ここで思い出してほしいのは、財布もカバンも「道具」だということです。

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↑これは今も現役で使っている私の財布です。「10年使える財布が欲しいなぁ」と思って、2016年末に買いました。


ものは道具

道具というのは機能があります。
財布はお金やカードを入れて、買い物時にそれらのものを出し入れするための道具です。
毎日使うものなので堅牢なつくりである必要がありますし、
人目に触れるのであまりにも傷んだものは使えないと思います。

カバンは持ち物を自宅から外へ持ち運ぶためのものです。
カバン自体が重すぎたり、使い勝手が悪いと、道具としての機能を十分に果たせません。

目的の行為を達成するために与えられた機能を果たせないのであれば、道具として持ち続けることができません。
機能が満たされていないけれど見た目が好きだとか、思い入れがあるといった理由から使い続けるのであれば、
「鑑賞目的の美術品に近いもの」「思い出を楽しむためのもの」になります。
それを外で使うなら、不自由な部分があってもそれをカバーしながら使う必要があります。
自宅で鑑賞するなら、保管する場所を確保したり、メンテナンスをする時間を設ける必要があります。

さらに、財布は消耗品です。
(厳密に言えばカバンも消耗品ですが、使用頻度を考えると財布よりも長持ちします。)

いくつか数を持って順繰りに使うバッグと違い、財布は1つのものを使います。1日に何度も開け閉め・出し入れし、どうしても磨耗していきます。
財布というものは、素材やつくりによって年数は前後するものの、
“一生物”ではなく”消耗品”です。
消耗品は買い換えをしなければなりません。

また、人の好みは移り変わるものです。気分に合わなくなる時が来ても仕方のないことです。

その財布は、何年使いましたか?
学生時代のいつ買ったのかわからないので推測ですが、7年〜10年は使ったのでは。
昨年11月に新しい財布を買ったのは、買い替えの時期が来たからではないでしょうか。
だとすれば、その財布はもう十分に役目を果たしたと言えるのではないでしょうか。

財布の定数は「1」

多くの人にとって、財布の定数は「1」だと思います。
バッグと違って財布は基本1つを使いますよね。カードを入れ替えたりの手間が発生するためです。

>>財布は別のものを去年の11月購入してからは1度も使用していません。
とあります。

ご相談者さんは、新しい財布を買って使っているんですよね。
であるならば、定数1の座席は埋まってしまっています。
もう使わないのであれば、手放していいと思います。


死蔵品という言葉があります。類似後はタンスの肥やしでしょうか。
死蔵品は文字通り、使われることのなくなった死体のようなものを自宅に保管している状態です。
ここで、死蔵品という言葉の意味をひいてみましょう。


倉庫などに在庫されているが、設計変更の発生や製品の生産中止などにより、2度と使われることがなくなった品目とか、保管状況が悪く腐食などで、本来の機能が発揮できなくなった品物を指す。これは、一般にデッドストックなどともいわれ、品物が再び使われることがないことを示している。これに対し、長期間使われないが、生産部品として、またはサービス部品として使う可能性もあり、機能的にも十分使うことができる品目は、滞留品、休眠部品とか眠り在庫およびスリーピングストックと呼び、死蔵品とは区別される。
無計画な設計変更は、死蔵品をどんどん増やすことになる。このため、死蔵化させないよう、長期間使われていない在庫品をいちはやく見つけ、これを積極的に活用することが大切である。

死蔵品|JIT基本用語集


「死蔵品は、再び使われることがないことを示している。」
なんだか切なくなりますね。

ところで、上の文の中で「死蔵品」の他に「休眠部品」という言葉が出てきます。
機能的にも十分使うことができるけれど、使われることなく眠っているものが休眠部品です。
これはJIT(ジャスト・イン・タイム/トヨタ生産方式)製造業界の用語なので部品という言葉を使っていますが、
暮らしに置き換えるために「休眠品」と呼ぶことにします。


もしご相談者さんが持っている財布が、機能的にも使える状態で、
仮にメルカリやブランド品買取に出したら、次の使い手が使ってくれるような場合には、
この財布は休眠品です。
このまま眠らせておくくらいなら、売って次の使ってくれる人のもとへ送り出してあげるのが、ものとしての一生を考えると良いのではないでしょうか。


▼こちらはブランド品買取サービスです。

【ブランドゥール|Branduru】


また、もうかなり傷んでいるようでしたら、それは死蔵品になります。
ものを持つと場所が必要になりますし、メンテナンスも必要です。
ものを1つ手放すの、その分だけ場所と時間を手に入れることができます。
気持ちに折り合いがつけられるなら、ものに「ありがとう」とお礼を言って手放しましょう。


気持ちに折り合いがつけられないなら、思い出の品として残すのも一つの手です。
学生時代にお金を貯めて買ったという思い出を重視するなら、「財布という道具」から「思い出の品」にジャンルを移動させます。
思い出ボックスを一箱用意し、そこにどうしても残しておきたい思い出の品と一緒に収めておき、
見返したい時に取り出して鑑賞し、また箱に戻すということをするといいでしょう。

場所をとる、かさばる、それなら写真に収めて見返すので構わない。
そんな風に思ったなら、撮影して思い出は写真のデータとして残して、物体としては手放してしまってもいいと思います。

なので、こういう選択肢があるかと思います。

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財布の機能→残っている(休眠品)→1.次の人に使ってもらう(売却)
               →2.思い出の品として残す(保管と鑑賞)
     →残っていない(死蔵品)→3.捨てる(廃棄)
               →4.思い出の品として残す(保管と鑑賞)

カバンの処遇、3つの選択肢。

>>カバンは使用しないともったいと思い1年ほど通勤で使っていたのですが、使い勝手が悪くここ半年くらいは使用していません。通勤で使わないと年1で使うかどうかの使用頻度です。


使い勝手が悪く、ここ半年くらいはしようしていませんとのこと。
しかし、年1回は使っているわけですよね。
その年に1回ってどんな場面でしょうか。ハイブランドのバッグを持ちたい場面があるんですよね。


選択肢は3つあるかと思います。
ひとつめは、結婚式用のワンピースやバッグのような扱いをして、年に1回のために保管しておくこと。(保管と使用)
ふたつめは、その年1回の機会に持つバッグを他のもので代用し、ハイブランドのバッグは手放すこと。(売却)
みっつめは、思い出の品として保管し、鑑賞用として残すことです。(保管と鑑賞)


ひとつめ。
結婚式用のワンピースやバッグは、普段使いしないことがほとんどですよね。
使用頻度も、年に数回の年もあれば、年1回の年もあると思います。
年間通しての使用頻度が低いからと言って、毎回売って、お呼ばれするたびに買い直したりはしないで、持っておきますよね。
(最近は自分で所持せずに毎回レンタルするという方法もありますが。こちらも後述します。)

年に数回の出番のために場所を確保して保管しておき、年に数回使うというのも選択肢のひとつです。



ふたつめ。
その年1回の機会に持つバッグを他のもので代用し、ハイブランドのバッグは手放すこと。

例えば、今お手持ちの他のバッグで、ハイブランドのバッグの用途を補えるなら、そちらを使うことに決めて、ハイブランドのバッグを手放すのもありです。

また、先ほど結婚式用の服一式をレンタルする方法があると書きましたが、
ハイブランドのバッグもレンタルサービスがあります。
月に数千円でハイブランドのバッグを借りられます。
人間、どうしても好みは数年単位で変わっていくものです。(そうでない人もいるとは思いますが)
その時々の好みに合わせてバッグを選んでいけるレンタルサービスは、移り変わる人の心に寄り添ってくれていいサービスだなと思います。
バッグを手放して、こういったサービスを活用するのもひとつの手です。

▼これは月額6,800円(1日あたり220円)でバッグ借り放題のサービスです。
セリーヌのバッグかっこいいな、持ちたい気持ちもあるけど高いな、などとぼんやり考えていた時にこのサイトにたどり着きました。借りたことはないのですが。




みっつめ。
思い出の品として保管し、鑑賞用として残すこと。
これも財布と同じで、思い入れが強く、思い出の品として残したいと思ったら、場所を確保して鑑賞目的で残すのもありだと思います。
バッグは財布以上に場所をとるでしょうから、他の「今使っているもの」に使えたはずの空間を占拠してしまいます。
その空間がもったいないと感じたら、写真に撮って思い出をデータで残してものは手放したらいいですし、
やっぱりものとして残しておきたいと思うなら、他の持ち物を多少整理してでも残しておいて、たまに鑑賞するのがいいでしょう。

▼我が家の思い出ボックスはこの1箱分です。写真アルバムや、壊れた手作りのカメラケースなどを収めています。たまに取り出して鑑賞してます。持っていたいものを残しています。


捨てたものの忘れ具合は人による

ちなみにこれはわたし個人の意見ですが、
ご相談者さんと同じ立場だったら、多分バッグも財布も売って手放します。

それは、わたしが手放してしまって目の前から消えたもののことを、綺麗さっぱり忘れてしまう人間だからです。

しかし、捨てたもののことを忘れられず、何度も思い出して辛くなってしまう方もいます。

▼捨てたもののことを突然思い出して辛くなってしまうというお悩み相談。

ものへの記憶のタイプは人それぞれですし、
そのものへの思い入れの大きさは本人にしかわかりません。

手放したら確実に後悔しそうだと思うものがあるなら、無理に手放す必要はないと思うんですよね。
それを残すことで場所をとるので、他のものを整理したり収納の工夫をする必要が出てきますが、その手間も惜しくないくらい残しておきたいものがあるなら、残したらいいと思うんです。

長くなりましたが、全てわたし個人の意見です。
ご相談者さんにとってベストな選択ができればいいなと思います。


少しでもお役に立てる部分があれば幸いです。

おわり。

▼捨てるか迷った時はこのあたりのトラコミュ読みに行ってます。
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